DM Wiki (旧EUC版)
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【速攻】(デッキタイプ) †
速攻を戦略とするデッキ。序盤から積極的に攻撃し、早期に勝利するデッキのこと。
一口に【速攻】といっても、そのデッキタイプは数知れず、デッキ名ではなく総称として使われる。
ビートダウンデッキの一種で、その中でも特に速いもの。
口頭では「速攻デッキ」と呼ばれる。
1、2ターン目から展開した軽量クリーチャーで積極的にシールドをブレイクし、遅くとも5〜6ターン内には勝利することを目指す。
クリーチャーの召喚をスムーズに行うため、デッキカラーは必然的に1〜2種類に絞られる。これは色が多くなると、序盤に必要なマナが出せなくなる可能性が高くなるため。
5ターン前後までにコンスタントに相手を倒せるよう、ほとんどのカードは1〜3コストの軽いカードで組まれる。
手札が枯渇して相手に場をコントロールされる前にとどめを刺すように構成される。息切れしたときの保険などはあまり考慮せず、速さに特化した構成をとる。
ミラーマッチ対策などもかねて《めった切り・スクラッパー》などの重いS・トリガーが少量使われることは多いが、それらは手札にきてしまったらマナゾーン行きである。
- ビートダウンは中速を含む用語だが、【速攻】はその中でも特に速いものを指す。よく初心者が単なる攻撃型デッキを【速攻】と呼ぶことがあるが、たいていそれらは中速である。あくまで5ターン前後でコンスタントに相手を倒せるポテンシャルを持ったデッキが【速攻】である。
- 漫画「デュエルマスターズ」で勝舞が使うデッキには、《ボルシャック・ドラゴン》など明らかに【速攻】には入らないカードが入れられていることがあり、それが初心者に【速攻】と中速とを混同させてしまう原因だろう。
- その強さの割には低予算で組めるデッキが多いのが特徴。ベリーレア以上のフォイルカードなしでも十二分に強いデッキが作れる。
弱点と対策 †
相手が本格的な行動に移る前に決着をつけることを前提に組まれるため、メタゲームの影響を受けにくく、使用者も多い。大会に出る場合は何らかの対策をしないとなぶり殺しにされてしまうだろう。
言うまでもなくS・トリガーやS・バック、ニンジャ・ストライク、革命0トリガーなどによるカウンターやブロッカーに弱いため、それらを増量するだけで多少なりともこちらの勝率は上がる。
5、6ターンで勝負を決められなかった場合、じりじりとブロッカーや殴り返しに押し返されて負けるのが【速攻】の負けパターンなので、上手く凌ぎきりたいところ。
汎用性の高いS・トリガーは大きな対策になる。《アクア・サーファー》など、他のデッキが相手でも腐りにくいカードの採用が事故も起こりにくく、リスクは低い。
初期の環境では《ホーリー・スパーク》や《母なる大地》がよく使われた。前者はコントロールデッキ相手にも有効であり、後者は自分の《予言者マリエル》をマナゾーンから呼び出すことで、相手の動きを止めるというプレイングもあった。
後の環境では《閃光の守護者ホーリー》、《調和と繁栄の罠》、《終末の時計 ザ・クロック》、《凶殺皇 デス・ハンズ》などが活躍している。
DM-29からは大きなビート耐性を持ったニンジャ・ストライクを扱えるシノビが登場したため、それを使っても良い。
相手ウィニーを除去することも大切だが、自分がブロッカーやS・トリガーに乏しいならばマナブーストなどでこちらの速度自体を上げることも肝要。マナを伸ばして、強力な火力呪文を放つのも有効。
【エンペラー・キリコ】や【ミラクルとミステリーの扉】など、大型フィニッシャーで場を制圧し、速攻の手を止めるデッキタイプもあり、トップメタを支配しているデッキがどのような【速攻】を使っても勝てない場合には【速攻】の使用率は大きく減退する。
逆に《パシフィック・チャンピオン》などの、速攻を援護する強力なカードが登場したことで、《ボルカニック・アロー》や《超獣大砲》などのデッキタイプによってはあまり入れたくないカードを対策用に投入せざるを得なくなった時期もある。
一口に【速攻】と言っても、パワーが高めで火力に強いもの(自然系)、ドローソースがあり息切れしにくいもの(水系)など多様。
メタゲームによって有効な対策は変化するため、ブロッカーを増量すべきなのかトリガーを増量すべきかなど限られたデッキスロットの中でいろいろと考えて対策を練りたい。
あまりS・トリガーやブロッカーを増やしすぎると、今度はそれらの効果が薄いコントロール系デッキに対して分が悪くなるので注意。
S・トリガーであり、大型ブロッカーを踏み倒せる《ヘブンズ・ゲート》はまさに【速攻】の天敵。除去するか、バウンスするか、《早撃人形マグナム》で対処するか、《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》などでS・トリガーを封じるかでもしない限り、負けてしまう。
主な【速攻】とその変遷 †
基本セット環境から、最軽量の3コストのスレイヤー•スピードアタッカーを獲得するなど、恵まれたクリーチャーを多く有し、《クリティカル・ブレード》等の優秀除去もあったため、動きの遅いコントロールには優位に立てた。
しかし《アストラル・リーフ》を有する【リーフ青単】系のデッキには物量作戦で敵わなかった為、トップメタに登ることは無かった。最初の殿堂入り発表の後も、《地獄万力》や《地獄スクラッパー》などの強力な火力呪文に苦しめられ、ある意味活躍出来た時期の少ない不遇のデッキとも言える。
その後、戦国編で《福腹人形コダマンマ》《ライラ・ラッタ》という2種のシールド回収カードが登場。現在では《斬斬人形コダマンマ》も併せて《デュアルショック・ドラゴン》のS・バックを積極的に狙っていくという、【速攻】でありながらコンボ性の強いデッキとしてアイデンティティを確立している。
《火炎流星弾》の登場により、大幅に強化される。《機神装甲ヴァルボーグ》が強力だった為(→【赤単ヴァルボーグ】)、基本セットから注目されたが、S・トリガーで除去されると立て直しが効かなくなる為、採用するかは一長一短だった。採用しない型、無理に火のカードを詰めるより水をタッチ(→赤青)したほうが自然な構成になったことも。
赤単専用のスピードアタッカー、《鬼切丸》および《タイラーのライター》が使用可能。赤単にこだわるのであれば、《ブルース・ガー》、《斬込隊長マサト》も採用圏内である。序盤の色事故が無く、《勇気の爪 コルナゴ》などの優秀なウィニーが増えたことで平均パワーが上がり、単純だが止めにくい【速攻】としてエピソード3環境のメタゲームで再復帰を果たす。
革命編では侵略により最速で2ターン目に進化可能な《音速 ガトリング》が登場し大幅に強化。
更に《轟く侵略 レッドゾーン》及び《伝説の禁断 ドキンダムX》擁する【レッドゾーン】はその圧倒的な速度とパワーで革命編環境のトップメタに上り詰めた。
新章デュエル・マスターズでは大量展開を得意とする《“罰怒”ブランド》擁する【ビートジョッキー】が登場した。
《フェアリー・ギフト》のコスト軽減を生かし、W・ブレイカー化する《クラウド・メイフライ》や《レベリオン・クワキリ》、《寝ボケまなこのたぬ吉さん》を主力とする。
初期のころはビーストフォークをメインにした【速攻】だった。防御面は《深緑の魔方陣》などでカバーしていた。現在は光系統のブロッカーデッキのメタデッキとして活躍している。
革命編ではコスト8のQ・ブレイカーながら最速で3ターン目に進化可能な《超獣軍隊 ベアフガン》、パワー3000ながらT・ブレイカーを持つ《S級原始 サンマッド》という異色の進化クリーチャーたちが環境で躍進した(【緑単ベアフガン】)。
前述のスレイヤーや《機神装甲ヴァルボーグ》を使った動きはできない為、マナブーストや平均パワーの高さを生かすことになる。黎明期は、他の【速攻】よりもマナが伸びやすいことから《クリムゾン・ワイバーン》が採用されたことも。
戦国編では軽量マナ進化の《ブレードグレンオー・マックス》と《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》を得てトップメタに台頭。
エピソード2環境では、緑単での《フェアリー・ギフト》の活用を応用し、コントロール要素を取り入れ中速気味にしたタイプが主流となる(→【ギフトミランダ】)。《無頼勇騎タイガ》や《その子供、凶暴につき》を搭載できる点も大きい。
革命ファイナルでは序盤に召喚したウィニーと手札のクリーチャーを攻撃時に入れ替えることの出来る革命チェンジが登場。
中でも《蒼き団長 ドギラゴン剣》は重量級ながら革命チェンジを駆使することで序盤でのコスト踏み倒しが可能であり、結果的に並の【速攻】以上の速度で1ショットキルを決める試合が続出した。
基本セット環境からエピソード2まで、中身を変えながらトップメタの一角を占めているデッキ。基本セットから第1次殿堂入りまでは、《サイバー・ブレイン》など反則的に潤沢なドローを可能にするカードが4枚積みできる状態が続いていた為、【速攻】を始めとする数多くのデッキに影響を与えた。初期のカードプールに乏しい時期には、《アングラー・クラスター》により、【速攻】でありながら防御面が確保できていたことも大きかった。
青単は大きく分けて、4世代に分類できる。
まず、強力なドローソース進化クリーチャーである《アストラル・リーフ》が殿堂入りまでの第1世代(【リーフ青単】)。
次に、非常に対処が困難な進化クリーチャーである《パシフィック・チャンピオン》が殿堂入りするまでの第2世代(【パシフィック青単】)。
次いで、2コストサイバーロードの拡充により大量展開が容易となった《パラダイス・アロマ》が殿堂入りするまでの第3世代(【サイバー青単】)。
最後に、特殊なメテオバーンにより恒久的な手札補充を可能とする《エンペラー・ベーシックーン》を4枚積みできる第4世代となって現在に至る。
DMR-12の発売以降では、《超閃機 ジャバジャック》を主力とした【リキッド・ピープル】デッキが増えてきている。
現在でも有能な低コストサイバー進化は数多く存在し、一度でも手札補充をできれば、ノンストップで手裏剣のようにクリーチャーを展開できる。《封魔ゴーゴンシャック》による妨害や、バウンスによる防御網の突破も手軽に行える。
他の【速攻】同様、《温泉 湯あたり地獄》などのコスト参照除去には弱いが、【速攻】の中では、特別な弱点が少ない。
青単に火をタッチした構成。研究されたのは聖拳編及び転生編である。《パシフィック・チャンピオン》の登場により、第2世代青単と共にこちらもトップメタへ駆け上がった。一時期の《パシフィック・チャンピオン》の殿堂入りとともに衰退。現在はそちらは殿堂解除となり4枚デッキに投入することができるようになったが、復権には至っていない。
神化編期より台頭し、以後トップメタの一角に名を連ねている【速攻】。
疑似スピードアタッカーとなれる《死神術士デスマーチ》《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》といった軽量墓地進化クリーチャーを、軽量墓地肥やしクリーチャーや自壊のデメリットを持ったクリーチャーなどのサポートで召喚する。
枯渇しやすいマナや手札は自然によって補う。実質的に1マナで展開できる《ダンディ・ナスオ》や《ジオ・ナスオ》、手札補充の役割を担う《スナイプ・モスキート》らの存在が大きい。マナ進化クリーチャーの《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》が搭載できるのも強み。
主力の《死神術士デスマーチ》の素のパワーが1000であるため他の【速攻】に比べ《ローズ・キャッスル》などの全体火力に弱い。また、速度を重視するため、S・トリガーの枠が厳しい。従って直接クリーチャーを除去する手段に乏しい。
墓地進化に目が行きがちだが闇と自然には優秀な1、2コストアタッカーが充実し、さらに《無頼封魔アニマベルギス》も採用可能なため2ターン目の2ブレイクも視野に入る。下手をすれば3ターンキルも現実的に起こり得るため、単純な速さでは【速攻】随一。
《アクア・メルゲ》の手札交換・墓地肥やしを軸にした【墓地進化速攻】。覚醒編環境のメタゲームに順応する形で考案された。
【速攻】の中でもテクニカルな組み方が可能で、相手の足を重くしながらビートする事ができる。上手く嵌れば、相手のデッキタイプによるものの何もさせないまま勝ってしまうことも可能。
その反面、ミラーマッチや対【速攻】にて腐る札が出てきたり、コントロール相手でも《封魔ゴーゴンシャック》がメタにならなかったりなど、他の【速攻】には無いリスクもある。現在は《アクア・メルゲ》のプレミアム殿堂により、構築は不可能。
【速攻】にもかかわらず速攻対策が十分にできるデッキ。
スパーク系統の呪文や軽量ブロッカーを採用でき、【速攻】同士の戦いで大きく優位に立つことができる。いざという時には《時空の守護者ジル・ワーカ》の自爆特攻でこじ開けたり、《ダイヤモンド・ソード》による奇襲も可能。聖拳編環境でメタの一角に存在したデッキである。
《凶戦士ブレイズ・クロー》《予言者クルト》《希望の親衛隊ラプソディ》など、1マナウィニーの層が厚く、《黙示賢者ソルハバキ》による展開力も魅力である。
現在ではオリジンやハンターを中心に優秀なものが多く、《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》や《剛厳の使徒シュライバー》、《穿神兵ジェットドリル》、《早撃人形マグナム》などのメタカードを有しており、マイナーではあるものの侮れない強さを誇る。
《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》や《剛厳の使徒シュライバー》を擁するイニシエートを主軸に据え、フィニッシャーとして《共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス》や《サイレンス トパーズ》を採用する型。
上記の赤白と同様に、スパーク系統の呪文や軽量ブロッカーが使え、ミラーマッチに強い。こちらは火による速さの代わりに強力な呪文制限とそこそこの打点を有しており、
S・トリガー呪文や超次元呪文、《温泉 湯あたり地獄》等の4コスト以上の呪文だけで対策を行っている相手ならば完封することも。除去呪文に強い【速攻】なので、必然的に場持ちはいい。
【速攻】ではあるが、ハンデスを得意とするデッキ。墓地進化の優秀なクリーチャーを採用も出来る事も大きい。《暗黒秘宝ザマル》や《爆弾魔 タイガマイト》、《解体人形ジェニー》を採用出来るため、相手の除去を叩き落とせる可能性がある
闇のカードが少なからず入っている赤黒とは対象的に、こちらは全体除去に強いのが特徴。
【速攻】としては珍しく、単色強化カードも軽量除去も投入されない。赤単や赤緑に対して、どうしてもパワーや火力の面では劣るが、《腐敗電脳メルニア》や《機怪人形ガチャック》などのクリーチャーと、良質なドローでうまくカバーしている。地味ながら速攻対策になるS・トリガーが優秀なのもポイント。
【速攻】ではあるが、コントロール色の強い文明構成である二色を使っている為、他の【速攻】には出来ない嫌らしさが光る。ビートダウン・コントロールどちらが来ても対処でき、【アクアンブラック】や《メルニア》を投入したビートダウンが注目されてから長く使われてきたデッキタイプ。
青赤とは区別され、主に【ガネージャビート】と呼ばれる。一撃奪取サイクルである《一撃奪取 トップギア》・《一撃奪取 マイパッド》、及びこれらがアウトレイジであることから《無重力 ナイン》を展開することが可能。(【赤青ビートダウン】)
それらを進化元に、3ターン目に《金属器の精獣 カーリ・ガネージャー》を出して殴ることができる。
火文明の軽量クリーチャーの展開力と水文明の手札補充で、絶え間のない速攻を仕掛けることができるが、全体的にパワーが低い傾向にあるので、全体火力や《ノーブル・エンフォーサー》にはやや弱い。
参考 †