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インフレ

経済用語「インフレーション(inflation)」の略であり、本来の意味は「物価が持続的に上昇すること」である。
そこから転じて、エキスパンションが進むにつれ、新しく出るカードスペックが徐々に高くなっていくこと、もしくはそうしたカードが増えていく環境のことをいう。
つまりはコストに対して能力が強力になり、クリーチャーの場合はパワーも大きくなっていくことを指す。

クリーチャーの場合、パワーが大きくなると言っても、《無頼勇騎ゴンタ》の様な「2コストバニラパワー4000のクリーチャー」となる場合は、普通インフレとは言わない。

一般にインフレとは、《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》の様な「コスト7でシールド・フォース付きパワー9000」の場合を指す。

普通、シールド・フォース能力は本来得るはずだったパワーから、マイナス1000以上されるという計算だが、このクリーチャーではそれが適用されていない。この場合では、コスト7なのでパワー9000、かつなのでバニラならば9500となり、シールド・フォースで500しか消費していない事になる。

つまり、バニラ並みのパワーを維持しながら強力な能力を得ているということで、かなり高いスペックとなっている。こういった現象が多くのカードで見受けられる場合に、インフレと言われる。

基本的にクリーチャーは、パワーの高さよりも能力の強さが求められるので、パワーだけが独り歩きしてインフレしていくことはない。たまに、《緑神龍ディルガベジーダ》《界王類七動目 ジュランネル》のようにコストに反して、逸脱した高いパワーを持つ者もいるが、《緑神龍ディルガベジーダ》の場合は強力な能力を持たない分をQ・ブレイカーや高パワーに回したり、《界王類七動目 ジュランネル》デメリット能力がついていたりするので、やはり能力のインフレありきのパワーの高さと言える。

派手でオーバーキルカードを引き合いに出してインフレを説明することがあるが、それは適切ではない。例えば、《グラディアン・レッド・ドラゴン》パワーが高いのはインフレによるものではない。10コストと非常に重くT・ブレイカー以外の能力を持たないためにこのパワー設定なのである。カードパワーの判定には、コストパフォーマンスに着目するべきである。

コストが高いカードほどインフレが目立つ傾向にある。クリーチャーの場合、ファッティクラスになるとパワー能力の両方に凄まじいインフレが起きている。逆にコストが低いカードはインフレは起き辛く、コスト1の《凶戦士ブレイズ・クロー》《予言者クルト》などは、登場以降15年経っても上位互換が出ずに高く評価され続けている。

初期の頃は、何かしらの能力を持ったクリーチャーは、コストに対してパワーが低くなることがあったが、次第にコストに見合ったパワーを維持、もしくはそれを上回るパワーを持った上で、強力な能力を持っていることが多くなった。そういう観点からみると、パワーの方がインフレしているとも言える。パワーを参照する《炎槍と水剣の裁》プレミアム殿堂から4枚投入可能になったことからも、それが見て取れる。

インフレをしているのはクリーチャーだけでなく、呪文も同じである。呪文パワーを持たないので、なおさら能力の強さを引き合いに出してインフレを語られる。ただし、ただし母なる系のようにクリーチャーとの相乗効果で威力を発揮するタイプのものはそちらのインフレに伴って自身のカードパワーが飛躍的に上昇するため、時代と共に規制と調整版の追加が行われるケースがある。

他のカードタイプでは、インフレはほとんど見られない。これはクリーチャー呪文と違って、これらは短期間しか登場しないためである。

環境におけるインフレ

  • 最初に大きくインフレしたと言われるのは、初の多色推しシリーズの聖拳編だが、単色よりスペックが高めに設定されている多色カードが初登場というだけであり、単色カードのインフレは一部を除きそれほど大きくはない。とはいえその多色カードが批判の声も多数出るほどの(当時としては)オーバースペック気味の目立ったことは事実であり、単色とは単純比較はできないものの、環境に絶大な影響を及ぼした。派手で強力なカードが多く既存デッキの強化も容易なことからデュエル・マスターズの人気の上昇にも繋がった。《無双竜機ボルバルザーク》や、後の環境でも通用するスペックを持つ《英知と追撃の宝剣》などがこの時期に登場している。

その他

  • 通常トレーディングカードゲームはエキスパンションが進むにつれてインフレも進む。カードの性能がどんどん上がっていくのは、新しいパックを購入する意義を与えるためである。既存のカードと同じかそれを下回るスペックカードを、わざわざ買ってまで使おうとは思わないだろう。ゆえにインフレが起こるのは仕方のないことである。完全上位互換とされるカードの出現はそれを示唆していると言える。
  • インフレによって古いカードの利用価値が下がる現象は、デュエル・マスターズに限らず多くのトレーディングカードゲームで見られる光景である。古参プレイヤーには少々酷だが、時には新しいカードの進歩に着目するのもいいだろう。
  • しかし過度なインフレの進行は、プレイヤーに絶え間ないカードの買い替えを要求したり、多くのカードの価値を失わせてしまう事になる。こうなると、販売店にもプレイヤーにとっても不利益を招くので、カードデザインには細心の注意を払ってほしいものである。
  • 一方で、登場当時は弱いと言われたカードがインフレの影響で日の目を見るパターンもある。登場当時はメタ対象が少なかったカードが新登場したギミックのメタとして注目されたり、デメリットや高コストのカードを踏み倒す手段が登場するといった例が挙げられるだろう。

参考