#author("2018-08-17T20:32:43+09:00","","")
*《水上第九院 シャコガイル》 [#k3009b7a]

|水上第九院 シャコガイル SR 水文明 (9)|
|クリーチャー:ムートピア 13000|
|T・ブレイカー|
|このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の墓地にあるカードをすべて山札に加え、シャッフルする。|
|相手のターンのはじめに、カードを5枚引き、その後、自分の手札を3枚捨てる。|
|自分の山札の最後の1枚を引く時、ゲームに負けるかわりに勝つ。|

[[DMRP-03>DMRP-03 「デュエル・マスターズ 新3弾 気分J・O・E×2 メラ冒険(ベンチャー)!!」]]で登場した[[水]]の[[ムートピア]]。

その能力は非常に盛り沢山であり
+[[cip]]で墓地を山札回復に充てがい
+相手ターン開始時に非アクティブ・プレイヤーとして[[《スクランブル・タイフーン》]]を放ち
+最後のカードをドローすると本来[[ライブラリアウト]]で自滅してしまうが、逆に勝ちに変換することができる。
という新手の[[エクストラウィン]]能力である。限定的な[[敗北回避能力]]でそのまま[[エクストラウィン]]してしまうという[[置換効果]]を生成する[[常在型能力]]は、[[デュエル・マスターズ]]史上でも特異的である。

2.と3.が非常に噛み合っており、[[《知識の包囲網》]]や[[《ハッスル・キャッスル》]]等で[[ドロー]]し切るケースでもない限り、基本的には相手ターン中の勝利を前提に設計するほうが無難である。[[《パーロックのミラクルフィーバー》]]や[[《インビンシブル・テクノロジー》]]といった[[ドロー]]ではない[[手札補充]]であればなおさらである。相手ターン中に[[ディスカード]]ができるので[[《斬隠蒼頭龍バイケン》]]等の[[マッドネス]]とのコンボも可能。

基本的に1.と3.はアンチシナジーだが、《シャコガイル》を出した後で墓地を肥やして[[山札圧縮]]する分には問題がないため、[[《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》]]や[[《世界の果て ターミネーター》]]などと組合せて相手ターン中に勝つ豪快なコンボが考えられる。同弾ではお誂え向きに[[《ラトリエ・ロブション》]]という相棒が収録された。

だが、基本的には[[墓地肥やし]]以外で[[山札圧縮]]するのが効率的だろう。単純な無限[[ドロー]]ループであれば既に[[《偽りの名 iFormulaX》]]という対抗馬があるが、例えば、[[《龍素王 Q.E.D.》]]と[[《インビンシブル・テクノロジー》]]を組合せれば、それだけで相手ターン中に勝てる。[[緑単ループ]]は[[マナゾーン]]を利用した[[山札圧縮]]コンボであるため、[[《ジョリー・ザ・ジョニー Joe》]]の枠をそのまま転用できる。

比較的条件を満たすのは楽な[[エクストラウィン]]能力であるため、これからの[[コンボデッキ]]では見かけることが多くなると予想される。

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**ルール(2017年9月21日事務局回答) [#me1a32ac]

-[[置換効果]]を生成する能力は「自分の山札の最後の1枚を引く時」にトリガーする「ゲームに負けるかわりに勝つ。」という置換効果を生成するトリガー能力に読めてしまう。裁定通りに処理するためには「自分の山札の最後の1枚を引いてゲームに負けるとき、かわりに勝つ」と読み替える必要がある。

-あくまで最後の1枚を「引く時」に置換できるのであって、[[ドロー]]ではない[[手札補充]]、具体的には「[[手札]]に加える」というテキストのものは置換できない。上記の[[《インビンシブル・テクノロジー》]]と併用した場合、その場で[[山札]]全てを[[手札]]に加えてしまうとそのまま自滅するので間違えないよう注意。

-[[《日曜日よりの使者 メーテル》]]や[[《蒼神龍ヴェール・バビロニア》]]等で置換された[[ドロー]]だったとしても[[エクストラウィン]]は可能。置換元の処理は「ゲームの敗北」であり、「ドロー」ではないので置換効果の連鎖には該当しない。

-置換先の処理が禁じられている場合、置換することはできないという置換効果の大原則がある。例えば[[常在型能力]]による[[継続的効果]]によって自分の勝利が禁止されている状況([[《不敗英雄 ヴァルハラ・グランデ》]]等)では、勝利を回避された上でそのまま[[ライブラリアウト]]を迎えてしまうことになり、相性が極めて悪い。《シャコガイル》の構えに入る前に[[除去]]しなければならない。

-置換元のイベントがそもそも発生していないと置換しようとする機会そのものが存在しないことになる。したがって《シャコガイル》とは別の[[敗北回避能力]]、例えば自分の[[《燃える革命 ドギラゴン》]]や[[《伝説のレジェンド ドギラゴン》]]と組合せると、肝心の《シャコガイル》が重要な場面で置換できないという事態に陥る。組合せる場合は噛み合わせを考慮に入れる必要がある。

-[[置換効果]]による勝利であるため、[[《不敗のダイハード・リュウセイ》]]や[[《完全防御革命》]]等でさらに置換することはできず、負けを回避することはできない。

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-「カードを5枚引き、その後、自分の手札を3枚捨てる」効果は、相手のターンがはじまる瞬間にバトルゾーンに存在することを誘発条件とした[[トリガー能力]]である。

-バトルゾーンにある相手のカード次第では自滅の危険性があり、注意が必要となる。相手ターン開始時のドローは[[トリガー能力]]で[[強制]]処理であり、非アクティブ・プレイヤーとして[[解決]]される。相手にターンを渡した段階で《シャコガイル》が生き残っていたら、必ず5枚引くことが確約されることになる。その一方で[[エクストラウィン]]は[[常在型能力]]であり、実際に引くまでは適用されない。つまり、[[アクティブ・プレイヤー]]となった相手が&bold(){ターン開始時に誘発する[[トリガー能力]]を抱えていた}場合そちらが先に[[解決]]されるので、[[エクストラウィン]]達成に至るまでに&bold(){空白の期間が生じる}ことになり、《シャコガイル》を用意したことでむしろ利敵行為につながる場合がある。[[エクストラウィン]]を前提にターンを渡すということは、すなわち自分の山札が5枚以下になっているということである。もし相手が[[《激天下!シャチホコ・カイザー》]]で[[《ルツパーフェ・パンツァー》]]や[[《堕魔 ドゥポイズ》]]等を出して《シャコガイル》を[[除去]]してきた場合、[[エクストラウィン]]は適用できないのに5枚引かされることになる。つまりは自滅である。《ヴァルハラ・グランデ》のケース同様に事前の除去が肝要である。
--当然、《シャコガイル》が複数いれば、その分引かなければならない枚数も増加する。近年は[[《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》]]の存在もあり、4体同時に展開することも珍しくはない。その場合は相手の[[《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》]]の[[Dスイッチ]]に気を付ける必要がある。先述の理屈通り、20枚引かなければならないのに[[エクストラウィン]]が適用できないといった事態になりかねないためである。《マッド・デッド・ウッド》による山札増加分を加味しても、許容枚数を超過する危険性は高い。超過する場合は最後の5枚に到達する前に、3枚の[[ディスカード]]を繰り返す中で[[《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》]]や[[《永遠の少女 ワカメチャ》]]を捨てられなければ、自滅は必至である。

-「[[カード]]を5枚引き、[[手札]]を3枚捨てる」のは相手の[[ターン]]中であるため、[[マッドネス]]を能動的に使用することができる。[[《サイチェン・ピッピー》]]で[[《ガイアール・カイザー》]]を展開したり、[[《斬隠蒼頭龍バイケン》]]を展開して相手の[[クリーチャー]]を[[バウンス]]すれば、唐突に相手のペースを乱すことも可能。ただし、相手もそのターン内で自由に行動ができる為、[[除去]]には注意。

-「[[カード]]を5枚引き、[[手札]]を3枚捨てる」のは相手の[[ターン]]のはじめである。「ターンのはじめまで」の期間で有効な[[敗北回避能力]]は、そのターンに入った瞬間失効し、《シャコガイル》が誘発する「ターンのはじめ」ステップそのものは含まないので[[エクストラウィン]]の障害とはならない。

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**環境において [#af606fcf]

登場から早速、[[緑単ループ]]、[[【白緑メタリカ】]]、[[ジャックライヤ]]等、[[《ベイB ジャック》]]を活用した無限ループのフィニッシャーとして多く採用された。

+ドロソを同時搭載していれば、自分のターンでも勝てるし、当然相手のターンでも勝てるという柔軟性
+フィニッシュに必要な枠の最小化
+最後がドローでさえあれば、自らのライブラリアウトで勝てるという勝利条件の易化

が主な要因と考えられる。

無限ブーストコンボである[[ラララオプティマス]]でも、[[《常勝ディス・オプティマス》]]が[[殿堂入り]]した穴を埋める目的としても搭載されるケースがあった。

また、[[パワー]]が13000なので[[《天風のゲイル・ヴェスパー》]]と合わせてわずか1コストまで軽減でき、[[マナ回収]]で手札を補充しながら[[マナブースト]]により山札をほぼ無尽蔵に削ることができる[[《ジーク・ナハトファルター》]]の登場後は[[グランセクト]]デッキのフィニッシャーとして採用されている。
-このことから、《シャコガイル》は[[グランセクト]]の威を借る[[ムートピア]]と皮肉られることがしばしばある。

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**その他 [#z1687b89]

-地味ながら[[《黒神龍ザルバ》]]による[[ライブラリアウト]]戦法に対抗できる[[カード]]ということにはなるが、実際には事前に除去されてしまうだろう。

-[[緑単ループ]]の[[フィニッシャー]]にする場合は、[[《蛇手の親分ゴエモンキー!》]]で《シャコガイル》を[[マナ召喚]]しなければならないという点、および《シャコガイル》で一旦[[墓地]]と[[山札]]がリセットされるという点を念頭に置く必要がある。《シャコガイル》設置前に[[《天真妖精オチャッピィ》]]等で[[墓地]]をリセットするも良し、設置後に[[《桜風妖精ステップル》]]等で山札を削るも良しである。&br;基本的には[[《霊騎ラグマール》]]等で相手のメタクリーチャーは一掃されているはずなので、山札が5枚以下になった段階でターンを返せば問題はない。&br;前述のように相手のターンに入ってから勝てるので相手の[[《伝説のレジェンド ドギラゴン》]]の[[敗北回避能力]]を無視して勝つこともできる。しかし、制限時間をオーバーし、ターンを返すと引き分けと見なされて両者敗北となるケースが存在する。封印残り1枚の[[《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》]]と[[侵略ZERO]]を警戒する場合もターンを返すのは自滅行為と言える。そのような場合は[[《霊騎ラグマール》]]と[[《アラゴト・ムスビ》]]との3[[コスト軽減]][[コンボ]]等で山札を1枚にしてから、[[《龍魂要塞 ブルニカ》]]で引けば自ターン中に勝つことも十分に可能である。

-[[知新ジャスティス]]の場合は《シャコガイル》を出すために[[《魔龍バベルギヌス》]]に1枠割かなければならないが、山札が薄くなった段階で端末処理を[[《インフェルノ・サイン》]]と[[《サイバー・チューン》]]の踏み倒しに変更すれば、[[《聖霊左神ジャスティス》]]の[[cip]]を増幅させずとも勝つことができる。

-コンボを意識せずともただ単に[[【サイクリカランデス】]]などの[[コントロール]]に挿しても強い。[[《偽りの王 ヴィルヘルム》]]の[[常在型能力]]を活かした過剰[[マナブースト]]を[[エクストラウィン]]の補助にそのまま利用できるし、マナが伸びてから素直に使用する[[ドローソース]]としてもついでのように使用できる。

-[[【青黒緑シャコガイル】]]では防御札に[[《斬隠蒼頭龍バイケン》]]を利用するので、このカードで[[《斬隠蒼頭龍バイケン》]]の[[マッドネス]]を起動するというプレイングもある。確かに除去耐性の無いクリーチャーを退かしてお茶を濁すには有効だが、これを素出しできるころには相手も今引きから[[スピードアタッカー]]などの[[耐性]]を持った[[フィニッシャー]]を投げ付けられる頃出もある場合があるので、このようにカウンター性を持たせない形でマッドネスを起動するのは一長一短である。

-[[《禁断〜封印されしX〜》]]と[[《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》]]を採用するだけで残り山札が19枚となるため、その上で2ターン目と3ターン目に2コストのクリーチャーによる[[マナブースト]]、4ターン目に[[《コレンココ・タンク》]]で山札を削り、後は5ターン目に[[《轟破天九十九語》>《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》]]の呪文面でこのカードを2枚踏み倒すだけである。先攻でも5ターン目には山札は残り10枚まで削れているはずなので、そのまま山札回復の[[cip]]を無視し、ターンを返して2体出ししたこのカードのドローによるエクストラウィンに向かうだけである。
--もちろん、呪文メタ、マナブーストメタ、[[山札破壊]]にはそれだけ弱くなるので注意が必要。また、合計10枚の[[封印]]と5枚の[[シールド]]に落ちるリスクを負いながら《轟破天九十九語》で踏み倒すこのカードを2枚マナに仕込むのは運が絡むか。特に[[《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》]]の封印は事実上[[シャコガイル]]では回収不能なので、やはりファンデッキ的な運用性になるだろう。

-[[ドロー]]による[[ライブラリアウト]]の際[[自分]]の敗北を勝利に置換するので、相手の[[《傲慢の悪魔龍 スペルビア》]]が[[バトルゾーン]]にいて負けない状況が作られると、《シャコガイル》の[[エクストラウィン]]の条件が達成されない。かといって相手の《スペルビア》がいる以上、[[山札]]が無くなっても負けることはないのでそのままデュエルは続行される。ただし、《スペルビア》が[[バトルゾーン]]を離れた瞬間、[[山札]]が無い[[プレイヤー]]は敗北という本来のルールのもとで負けてしまうので、[[山札]]回復手段を用いないことには実質《スペルビア》が[[アンタッチャブル]]と化す。

-[[Magic:The Gathering]]には《シャコガイル》のモデルになったと思われる《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》というクリーチャーが既に存在する。MTGとは[[ライブラリアウト]]のルールが異なるため、[[エクストラウィン]]の条件が異なる。なおあちらは引くことのみを置き換え、ライブラリアウトによって負けることまでは置き換えない。
--MTGでは山札のカードが1枚もない状態そのものは許されており、そこからいくら山札を墓地等に送ろうとしても負けることはない。山札が0枚の状態でさらにドローしようした段階で初めて[[ライブラリアウト]]となる。これは「遊戯王」でも同じルールである。
--そのため、《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》のほうが《シャコガイル》よりも幅広い勝ちのルートが確保されているといえる。
--裏を返せば、《シャコガイル》をリリースしたということはすなわち、今後[[ライブラリアウト]]と判断される条件を変更する気は一切ないということでもある。

-モデルは貝の一種であるシャコガイだろう。しかしムートピアの分類上は貝獣ではなく戦艦都市と思われる。

//**関連カード
//-[[《》]]
**収録セット [#w2eb8508]
-illus.[[RUI MARUYAMA]]
--[[DMRP-03 「デュエル・マスターズ 新3弾 気分J・O・E×2 メラ冒険(ベンチャー)!!」]]

**参考 [#d78ec3bf]
-[[ムートピア]]  
-[[ドロー]]   
-[[ディスカード]] 
-[[ライブラリアウト]]
-[[エクストラウィン]]
-[[置換効果]]
-[[敗北回避能力]]
-[[【ヒラメキシャコガイル】]]